鋼鉄製焼入れ鍼は、他の金属（真鍮・銀など）に比べて剛性（硬さ）が高く、振動伝達性が優れているため、皮膚に対する刺激が均一かつ精密になります。

✅ 振動伝達による神経刺激効果

• 鍼を用いた軽擦や点状刺激により、C線維・Aδ線維を適度に刺激し、求心性神経の興奮を調整する。
• これにより、皮膚の過敏状態（アロディニア）や筋緊張部位に対する鎮静効果を発揮する。

✅ 高精度な硬結部位のアプローチ

• 鋼鉄製の鍼は剛性が高いため、皮膚や筋膜の微細な硬結や過緊張部位を的確に捉え、調整しやすい。
• 硬結部への擦過刺激により、筋紡錘・腱紡錘の反射機能をリセットし、局所の異常緊張を緩和する

大師流小児はりでは、皮膚の硬結部位（過緊張点）に鋼鉄製の鍼で刺激を与え、局所の血流を改善することを目的とします。

▶ **軸索反射（Axon Reflex）**とは？

• 皮膚への刺激によって求心性C線維が活性化し、反射的に血管拡張因子（CGRP、サブスタンスP）が放出される。
• これにより局所の血流が改善し、過緊張部位の酸素供給が増加する。

➡ 結果として
✅ 血流改善により、皮膚の温度が上昇し、緊張が緩和される。
✅ CGRP（カルシトニン遺伝子関連ペプチド）分泌による血管拡張作用が働き、筋肉や皮膚の硬結が解消される。

大師流小児はりで鋼鉄製焼入れ鍼が使用される理由の一つに、皮膚電位（生体電流）の調整効果が挙げられます。

▶ 皮膚電位異常と過緊張部位の関係

• 東洋医学では「気の滞り（気滞）」とされる現象は、現代医学的に見ると皮膚電位の異常（帯電）が関与していると考えられる。
• 過緊張部位では、細胞膜のイオンチャネルが異常に活動し、電位差が乱れている。

▶ 鋼鉄製鍼の電位調整作用

• 金属には静電気を放散する作用があり、鋼鉄製の鍼で擦過すると局所の電位バランスが整う。
• これにより、皮膚の過敏反応や筋の異常興奮が抑制される。

➡ 結果として

• 皮膚の緊張が正常化し、過敏反応が減少する。
• 血流の改善により、皮膚温度や代謝活動が活性化する。